「SHALL WE DANCE?」の周防監督が
11年ぶりにメガホンを取った作品「それでもボクはやっていない」を鑑賞してきた。

痴漢という題材をテーマに
痴漢に間違われた若者を通して
現在の裁判制度を問いただした作品だ。

自身が無実であるという確信がありながら、
刑事、検事の執拗なまでの取調べに屈することなく
罪状を認めることなく、裁判という司法判断を仰ぐ。

警察署の牢屋での扱いなど、潔白な身には
目に余る行為や言葉の数々。
見ていて気分が悪くなってくるほどだ。

拘留が長くなるにつれ、頼れる友人や弁護士にも
イライラ感をつのらせてゆく被疑者。

真実を語っているのに何度も繰り返される同じ問いに
現代の裁判制度自体に疑心暗鬼を投げかけてゆく。

「有罪」ということを証明するには証拠資料があれば足りるが、
『無実の証拠』を探すことの困難さが切実に伝わってくる。

真実はひとつ。

一見に然るべき作品だ!!

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